生まれて初めてロードバイクに乗った感想と喜びを書いてみた

これがロードバイクの魅力というやつか

※クロスバイクしか乗ったことがないブロガーがロードバイクに初めて乗った感想を書いた記事です。ロードバイクのベテランによるレビューではありませんのでご注意下さい。一部感情に任せた記述がございます。

以前より注文しておいたGIANTのCONTEND SL1が組み立て完了したとGIANTショップから電話をもらったのが昨日の夕方。そして翌日の今日引取に行ってきました。でも外は雨。

スタッフの方が細かく丁寧に説明して頂けるも心は上の空。目の前にある自転車を思うと嬉しくて仕方がない。あまりの嬉しさに数点パーツを購入。定価なのに高いと思えない、これはまずい。

「そう、これが僕のロードバイク」。

お店から乗って帰っても良かったんですが、初めて乗ったのが雨の中というのはあまりにも悲しいのでとりあえず家の車に積みこむことに。妻が運転し、僕は車の後部座席で揺れる自転車を押さえつけます。自転車が車の中で傷がつくなんてやっぱり嫌。

自宅に戻ったのが15時少し前。ベランダでディスプレイスタンドに載せて固定し、すでに買っておいた自転車パーツをはめていく。

フレームやホイールに貼られていた注意書きなどのシールを丁寧に剥がす。シールの糊がちょっと残ったものは丁寧にティッシュで拭き取る。愛おしさ満開。

「プラモデルだなこれは。プラモデルみたいなカスタマイズだ」

ふと「重量を量っていないこと」を思い出す。僕のサイズより1サイズ大きい480サイズは8.7kgだそうで、じゃあ僕のSサイズは何kgなのだろうと。幸い取り付けた部品は一つ一つ重量をバネばかりではかったものばかりだ。これなら今の重量をはかってから部品の重さを引き算すれば出るはずだ。

自転車を持ち上げて体重計に乗り、何も持たない自分の体重と引き算をする。9.2kg。ここから部品の分の重さを引く。…8.9kg。体重計が壊れているらしい。

最低限必要なパーツを取り付けた後、西の空を見る。雲は低いが比叡山が見えている。比叡山が見えているときは20分くらいは雨が降らない。スマホで雨の様子を確認する。しばらく降らなさそうだ。

「ちょっとだけ、ちょっとだけ乗ってくるわ」

ヘルメットをかぶりスポーツサングラスをかける。手袋をはめとりあえずコンバースのハイカットを履く。SPD-SLのペダルとシューズは買ったけどとりあえず運転に慣れてからにしよう。

靴紐が巻きつくのを防ぐために紐はまとめて靴紐の下に滑り込ませる。以前は自転車に乗ってる人はマジックテープで止める靴を履くのは履く脱ぐが面倒くさいからかと思ってみていたが、自分が自転車乗りになってみると靴紐の邪魔さがよくわかる。

地面に降りた。初めてペダルを回した

フレームに傷がつかないようにそっと自転車にまたがる。軽くブレーキに手を添えて自転車が動かないようにしてから足を掛けてブレーキを軽く緩めた。

自転車は当然のようにスッと前に進み出す。あまりの軽さにブレーキを掛けた。クロスバイクより軽やかでブレーキがよく効くなと感じる。触り慣れていないロードバイクのハンドルとブレーキの位置に戸惑いつつ、車が通らない川沿いの道までよろよろと進んだ。

天気が悪いせいで人通りもなく、完全に貸し切り状態の川沿いの道。ブレーキの効きやペダルの高さの調整の良さに感動しつつ、以前の自転車に比べラチェット音がまったくしないのに驚く。タイヤが転がる「サー」という音だけが聞こえてくる。

スピードがやや上がったところでギアチェンジをしてみようと思う。この自転車は「ブレーキ」と「シフトレバー」が一体化されているタイプ。シマノが有名で、グレードによって変速数が8段変速から11段変速まである。ロードバイクとは長い付き合いになるので上位互換ができる「105」を選んでいる。

右手のブレーキを内側に倒すと後輪のギアが1つ下がる。ブレーキ内側の小さいレバーを倒すとギアが1つ上がる。左手のブレーキ側を同じように操作すると漕いでいるペダルと直結しているギアが上がったり下がったりする。

以前ならシフトレバーを押すために手の位置を動かしていた。この自転車はそういう無駄な動作がなくて、指をちょっと動かすだけでギアの上げ下げができる。無駄な動きをしない分余計なことに気を使わなくていいし、ギアの変速が驚くほどスムーズ。

「カコン」「カコン」と軽いショックを感じるだけでギアが変わっていく。これはすごい。

一体時速何kmで走れるんだろう

川沿いの道から公園に入り、公園を抜けると田園地帯。1km以上ひたすら続く直線を走っていると「真剣に自転車を漕いだら時速何キロ出るんだろう」吹いている風を感じるとどうやら今は逆風で走っているよう。直線の終わりまで行ってからUターンし、追い風の状態で真剣に足を漕ぎだした。

「カコン」「カコン」ギアを上げていくと35キロくらいのところで風の抵抗がすごい。もちろんやったことがなかったけどこういう時は「下ハン」で握ると風の抵抗を減らすことが出来るはず。ドロップハンドルの下を握り上半身をなるべく低い姿勢にし、前からくる風の抵抗をおさえて走ってみた。40キロ手前で息が切れた。ペダルもまだフラットペダルだし今日はこのへんにしておこう。

面白いものを手に入れた喜び

息が切れたのを整えながらゆるいスピードで足を回す。これで京都まで行ったら楽しいだろうな、びわ湖を一周したら楽しいだろうな、クロスバイクではひたすらしんどかったあの峠もこれなら登れるかもしれない。

そう思ったら笑えてきた。これは楽しいものを手に入れた。サングラスをしているので周りの人からはバレてはいないだろうけど楽しさがこみ上げてくる。

健康のため原付バイクでの通勤をやめ、自転車通勤のために買ったクロスバイクで知った「自転車に乗る」という楽しみ。自転車を調整したりパンク修理をしたりパーツを変えたりすることで「自分だけのものになる」という楽しさ。それが高まってきた時に思った「自分の力で遠くまで速く行くことが出来るロードバイクに乗りたい」という気持ちをずっと持ち続けてきて、それが今日叶った。

ロードバイクに乗る人の1人になった自分

80kg手前まで太ったのをなんとかしようと始めたクロスバイクの自転車通勤から約5年、体重は60kg前後で完全に落ち着いている。そしてついに僕もロードバイクに乗れるようになった。「トラック一杯の薬より一台の自転車」はドイツのことわざらしいけど、これは本当に正しい。風邪も引かずタバコも辞めた。食事制限をすることもなく体重は増えも減りもしない。自転車さまさまだ。

世の中ではロードバイクは信号を守らないとか歩道を走って歩行者に迷惑を掛けたりするなどマナーの悪い人も少なくない。クロスバイクに乗ってのんびり走っている横をさも邪魔者のような目で見て走っていくロードバイク乗りもいた。

確かにこれなら速く遠くまでいけるかもしれない。でもやはり今までどおり信号を守り車道を走ろうと思う。もし歩道を走らなくてはならない場合は歩くなり徐行するなり迷惑をかけないようにしよう。

そんな気持ちで自転車を楽しもうと思っている。

2019年4月、追記してみることにした。

タイヤは何本も買い替えたし琵琶湖も何周もし、京都へも何回も行った、パーツも書い直したし自転車はいろんなところが傷だらけになった。

でも、フレームの黒い色が若干褪せても「自転車に乗るのは楽しい」というのはまったく色褪せず2年半が過ぎた。今日はジャイアントストアでチェーンとスプロケットを交換し、ここしばらく調子が悪かったのが一気に良くなった。

ゴールデンウィークにはどこに行こう。京都に行こうかちょっと頑張って海を見に行こうか。自転車に乗るたびにワクワクする気持ちだけは全く変わらない。