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あれこれやそれこれ

雑記系ブログのさらなる高みを目指すブログ

佐川男子が暴力団をやっつけた的美談を見かけたわけですが

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美談大好きな人にはたまらない記事かもしれないけど

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Facebook民が大好きな美談ネタを見つけたのでチクリと刺したくなるやつ。

www.sankei.com

この記事なんですけどね。要するに暴力団の男が代引きでロレックスの高級時計を購入し、運送便が持って来たところで一芝居打ち、銃をちらつかせて支払いをせず時計だけふんだくろうと作戦をねった話。

代引き商品を届けに来た佐川男子、商品を受け取って荷物を開ける組員の所に別の組員が現れて銃を突きつける、「今日は帰れ!」と佐川男子に言えば荷物を置いて逃げると思いきや、佐川男子は荷物を奪い返したついでに銃まで奪い逃げながら110番通報し組員は逮捕されたとかなんとか。

「佐川男子」の2人は肝っ玉が据わっていた。とっさに商品を取り返し、「逃げる途中に背中から打たれてはかなわない」と、モデルガンも取り上げて事務所から出て、走りながら110番通報した。

 その後、同署の捜査で10月中旬に2人は逮捕された。調べに対し、組員Aは容疑を認め「あの2人にはかないませんや。強すぎる」と供述。組員Bは「Aが勝手にやったことで、自分は知らない」と否認した。

 この佐川男子の2人はなぜそんな対応ができたのか、という理由がその後ろに書いてあって、それがこの話を美談に仕立てているわけなんですが。

暴力団員に「かなわない」と言わせた2人の男性配達員。実は佐川急便が“選抜”した屈強な配達員だったという。

配達所は、

(1)ロレックスの受け取り先住所が組事務所だった

(2)商品が代引きの高級商品だった-ことからトラブルの気配を察知。本来、配達先には配達員が1人で配達するという原則があるが、不測の事態に備え、配達員2人で組事務所に向かわせたという。

そして捜査関係者までが「判断力が素晴らしい」と賞賛したとかなんとか。

「暴力団排除条項」あるでしょ?

 「暴力団排除条項」って知ってますか?法務省から平成19年(2007年)に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を作成、公開しています。

法務省:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について

これに基づき企業や自治体などが契約書や取引約款などに「暴力団排除条項」を入れるようになりました。このページなどが詳しいです。

暴力団排除条例と暴力団排除条項 - 企業法務の扉

で、当然ながら佐川急便などの企業についてもコンプライアンスの観点からも「反社会的勢力への対応」をするべく宅配便運送約款に追記をしているはず。

【佐川急便】反社会的勢力への対応について|ニュースリリース|佐川急便株式会社<SGホールディングスグループ>

ほらやはり。で該当するのがここ。

約款への追記条項

(引受拒絶)
第六条 当社は、次の各号の一に該当する場合には、運送の引受けを拒絶することがあります。

~省略~

  • 五 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。) 第二条第二号に規定する暴力団(以下、「暴力団」という。)の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなると認められる運送、信書の運送等運送が法令の規定又は公の秩序若しくは善良の風俗に反するものであるとき。
  • 六 荷送人又は荷受人が次に掲げるものであるとき。
    • ア 暴力団、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下、「暴力団員」という。)、暴力団準構成員、暴力団関係者その他の反社会的勢力であると認められるとき。
    • イ 暴力団又は暴力団員が事業活動を支配する法人その他の団体であると認められるとき。
    • ウ 法人でその役員のうちに暴力団員に該当する者があると認められるとき。
    • エ 当社に対し暴行、脅迫等の犯罪行為又は不当要求を行う者(荷受人にあっては、同様の行為が行われる蓋然性が極めて高いと当社が判断する者を含む。)であると認められるとき。

~省略~

  • 2 当社は運送を引き受けた後に前項第五号又は第六号に該当することを知ったため、運送を行わないこととする場合は、遅滞なくその旨を荷送人に通知した上で、荷送人に返送します。
  • 3 前項による返送に要した費用は、荷送人の負担とする場合があります。

さっきの記事でね。

配達所は、(1)ロレックスの受け取り先住所が組事務所だった(2)商品が代引きの高級商品だった-ことからトラブルの気配を察知。本来、配達先には配達員が1人で配達するという原則があるが、不測の事態に備え、配達員2人で組事務所に向かわせたという。

 ここ、佐川急便はすでに代引き商品を持っていく先が暴力団の組事務所だったことを知ってた訳でしょう。それならわざわざリスクを抱える理由がないんですよ。届け先が暴力団などの反社会的勢力であることがわかったため約款にもとづき「遅滞なくその旨を荷送人に通知した上で、荷送人に返送」すればいいのですから。

いくら屈強だか選抜だか知らんけど、高価な時計をわざわざ代引きで組事務所に持っていかなくてはいけない理由がないんですよ佐川急便には。あるとすれば・・・佐川急便は屈強な配達員がいますよ、というアピール?

だから僕にはこの記事が「ただの嘘くさい美談」にしか見えないんです。