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あれこれやそれこれ

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京都の「黄金のファラオと大ピラミッド展」に行ってきました。エジプトとの距離がぐっと縮まる展示が満載!

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これ、紙のパンフレットを見たときから絶対に行こうと決めてたんですよ。

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TBS「TBSテレビ60周年特別企画国立カイロ博物館所蔵黄金のファラオと大ピラミッド展」|TBSテレビ

京都で始まったのが10月1日から。土曜日は仕事だけど10日(月)は連休だったので京都散策を兼ねて出かけたのです。場所は京都文化博物館。地下鉄で烏丸御池まで行って少し南に下がるほうが近いかな。

 

レンガの建物が幾つかあって存在感バッチリ。ちなみにこの文化博物館の東側にあるパン屋さんのPAULさんはめちゃくちゃ美味しいと評判。お昼前に文化博物館で展示をゆっくり見て、休憩がてらPAULさんでランチっていうのもいいかも!

ここ、月曜日が休館なのに電車に乗ってから気付きましたが祭日ということで開館してました。嫌な汗をかきました^^;

はい、目的はこれですね。黄金のファラオと大ピラミッド展。

さて、みなさんはエジプト、ピラミッドと聞いてどんなイメージを持ちますか?奴隷がムチで叩かれながら大きな石を運び、王の墓であるピラミッドを作らされていると思っている方が多いと思います。

そういう映像の映画なども多いですし、あれだけの規模のものを誰が好き好んで手伝うかと思って当然です。奴隷がいて仕方なく王のために働かされたんだと。

でもこの展示を一通り眺めたあと、僕にとってのピラミッドやスフィンクス、エジプト文明というもののイメージが大きく変わりました。吉村作治さんがエジプトを発掘して大発見したように、僕もこの展示を見てエジプトというものを大発見したような気分です。

館内は撮影はおろかメモすら禁止されています。スマホ、携帯ももちろんだめです。だめと言われると記憶しようと必死で説明を読みます。読んで理解しようとします。理解し始めるとこのエジプト文明というものがものすごく興味深く面白いものに見えてきました。

この展示は京都で10月1日から12月25日までです。興味がある方はぜひ!きっとエジプトというところにもっと興味がわくと思います。

展示は大きく5つの章に分かれています。それぞれをざっくりとまとめてみます。

その前に、エジプト文明についてざっくりここを知っていると面白いよという部分を箇条書きで。

  • 古代エジプトは紀元前3000年から紀元前332年、マケドニア王アレクサンドロス3世により征服される までをいう
  • 大きく「古王国時代」「中王国時代」「新王国時代」に分けられる
  • 古王国時代、ファラオは現人神として君臨し、太陽神(ラー)の息子として確立するが、次第に官僚主義が台頭してくる
  • 中央国時代、ファラオの権威は完全に落ちてしまい、現人神どころか自治の王として人間の力を見せつける必要が出てきた。世襲制がくずれ暗殺されたり高官の中からファラオになるもの、王国が分裂することもでてきた。
  • 太陽が沈み、また朝にあると姿を表わすことは復活を意味し、ファラオは死んでもかならず生き返るという永遠性という考え方と太陽が繋がった。ミイラや太陽の船というのはそれら永遠の循環という考え方にもとづいている。
  • ピラミッドを作るというのはファラオに力を貸すことであり、作っている人たちは自分も復活できると信じていた。
  • ファラオというのはギリシャ語で「大きな家」を表し、これは日本の天皇を帝=御門(みかど)と呼ぶのに発想としては近い。王宮や大きな門を指すことが王を示すことになった。

第1章 ピラミッド建設とその技術

ピラミッドを作るのにはそれほど難解な技術や精密な寸法などは求められていない、ただひたすらに民衆の信仰心、愛国心がピラミッドを作らせた。神への畏怖と現人神であるファラオへの忠誠心が民衆に力を与え、300万個とも言われる石を運んでピラミッドを作ったという。

展示してあったのは糸で吊るした簡単な水準器と石を砕くためのノミなど、本当に普通にあるようなものでした。その頃には銅が使われていたので、銅製ののみを木槌で叩き石を砕いて形を整えたあと、研磨剤を使って形を揃えたそうです。青銅はこの時代にはなく、青銅は中王国時代だそうです。

UFOが作ったとか未来人がどうの、とかではなく人間があれだけ大きなものを人の力だけで作ったというのはやっぱりすごいです。

第2章 ピラミッド時代のファラオ達

 古代エジプト3000年の間でピラミッドを作った世代というのはほんの1000年程度。その間に30の王朝と300人のファラオがいたのだとか。古王国時代は石で作っていたピラミッドも中王国時代には泥レンガでつくることによりコストダウンがはかられてが、それは同時にファラオの力も弱体化が進んだということ。

ここには沢山の石像が展示してありましたが、年代によってファラオの体格が変わってくるのが面白い。古王国時代第四王朝のファラオ「カフラー王」の頃はまさにファラオは神であり、体格も顔立ちも神々しさがある反面、中王国期のファラオ「アメンエムハト3世」などの体格になると若々しく筋肉に張りがあり肉体的な強さを見せる。ただ顔には疲れというか憂いのようなものが見えるのが面白い。

第3章 ピラミッド時代を支えた人々

ピラミッドの時代、エジプトには奴隷という人たちはいなかった。ピラミッドを作ったのは国民の99%を占めた農民で、それぞれが役割を与えられ石を運ぶ人、食事を作る人、道具を作る人などに分けられた。けっして無償ではなくパンとビールがきちんと与えられたし、なんといっても死んだらファラオと同じ来世に行くことが出来るとされていたので彼らは喜んでピラミッド建築を手伝ったのだ。

ここでは多くの文官や労働者の石像を見ることができたが、どれも体格がふくよかで強制労働させられていた感じではない。中王国時代になると副葬品としてピラミッドを作る人たちの模型も入れられたが、「パン造りとビール造り職人の模型」などは農民たちがいきいきとそれぞれの作業を行うさまが形作られている。

第4章 ピラミッド時代の女性

古代エジプトでの女性の存在は現在考えられているよりはるかに高い。嫁、母という存在は家庭の中でも十分に高く、長男の母といえば宮廷内で絶大な力をもったらしい。現在に比べれば宝石などの類は少ないが、色とりどりの石を幾何学的に並べたりすることで首飾りなどが作られていた。

円筒形の石を並べて紐を通したビーズのネックレスなどは細やかな職人技がみられる。中王国期には金のネックレスなども登場、アンクレットや腕輪として沢山のものが埋葬された。女性閲覧者がまぁ黄金の前で動かなくて困りました(笑)いつの時代も金のまばゆさにはたまらないものがあるのですね。

第5章 黄金に輝く来世

古代エジプトの人たちは来世というものは黄金の輝きの中に存在すると信じていた。そこで来世を信じる人たちは現世で黄金を身に着けて来世にあやかろうとした。現世では金が使えない場合は黄色を使い、棺を黄色く塗ったりすることもあった。ミイラのマスクが黄金で出来ているのも来世の事を考えてのことであり、黄金の輝きに向かうために棺の中に黄金の副葬品を一緒に入れたのだという。

ここからはミイラを作るための壺や棺など、ちょっとショッキングなものも出てくる。ファラオが死ぬと魂は現世と来世を鳥になって行き来し、現世に帰ってきたときに宿るものが必要なためミイラが作られた。

来世を司るオシリス神はもともと人間で、ファラオとして君臨し大変人気があった。しかしそれを妬んだ弟セトはオシリスを殺し体をバラバラにしてナイル川に放り込んだ。妻イシスはそれを拾い集めてミイラとして復活、息子のホルスが生まれる(えっ!!)ホルスは成長し父の仇セトを殺して王になり、現世をホルスが、来世をオシリスが統治することになったという。これ、面白いでしょ?

感想

自分でなんとなく知っていて興味があったエジプトというのがこれほど大きな流れを持っていて、絶対的な王であると思っていたファラオすら神格化から権威の崩壊、裏切りや分裂といった歴史があることがわかりました。よく映画でやっていた石をひっぱりながら鞭打たれる奴隷というのがいなくて、みんな「来世に行ける」と喜々としてピラミッドを作ったというのは驚きでもあり納得でもありました(これも時代の流れがあって、中王国期にもなると石を運ぶのが嫌になって泥レンガづくりになったりもしますが)

国立カイロ博物館を始めとする古代エジプトの文化財保護というのも大変な苦労があるらしく、盗掘からの防衛はもちろん発掘した跡の保存についても莫大な費用とかなりの時間がかかるもののようです。こうした展示などで少しでも費用援助出来たりすると博物館も多少なりともうるおいますし、見ている私達としても5000年前の文化に触れられる機会として貴重な経験ができたわけです。

たとえばスフィンクス。あれは1926年まで地中に埋もれたいたらしく、見えていたのは肩より上だったりしたそうです。埋もれていたことで風化から守られていたものが現代すっかり発掘して全身があらわになったことで一気に風化が進み保存状況がどんどん悪くなっているという一面もあるそうです。

太陽が出て沈むことの繰り返しを死と復活に結びつけて来世を信じる古代エジプトの信仰というものがものすごく身近に感じられたし、「生と死」「生への執着」「死への恐怖」というものは本当に共通のものなのだと感じました。

次はどこでこの「黄金のファラオと大ピラミッド展」があるかわかりませんが、近くで展示されるようでしたらぜひ足を運んでみて下さい!

公式ガイド、買っちゃいました。これは見ごたえがあります!