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あれこれやそれこれ

雑記系ブログのさらなる高みを目指すブログ

退職時に覚えておきたい労働法、社保知識(有給残、退職日、退職金)

☆仕事☆ ☆仕事☆-仕事雑感
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はじめに

昔の人は「一つの会社に勤めあげて定年」というのが当たり前でしたが、この世の中。大会社だからとてある日突然潰れてしまうこともあれば、小さな会社がある事業で大ヒット、とんでもない成長企業として出てくることもありますね。会社という枠に自分を押し込んで一生を終えていいのか、という気持ちは人生の節目で何度も考えるものです。

大学の3年生から必死で就職活動をして入社した4大卒社員ですら、入社3年以内に3割が退職しているそうです。業界研究して自己アピールしてエントリーシートを必死で考えて圧迫面接に耐えたあげく入った会社ですらいろいろあるのです。結局就職とは「運と縁と恩」なんだなとつくづく思います。

いろんな思いで迎える退職の日。転職するためなのか、はてまた休職、自分で起業という人もいるだろうし、まさに人生の転換点。そんな退職について知っていると便利そうなことを書いておこうと思いました。

 有給が残っているんですけど捨てないとダメ?

退職日を決めた、有給はまだ残ってる、使い切りたい。でも引き継ぎもあるし仕事には行かなきゃいけないだろうか。有給を残して辞めるのは嫌だなあ、というのはよく耳にする話題です。

いざ退職するにあたってもこの手の悩みは多いと思います。まず模範解答は「有給は使いきってから辞めよう」です。退職するときに取得する有給というのは会社側から拒否することができません。それは「時季変更権」が使えないから。

さて、時季変更権とは。

時季変更権とは、事業の正常な運営を妨げる場合において、使用者が従業員の有給取得の時季を変更できる権利である。
・事業の正常な運営を妨げる場合とは、「事業の規模、内容、当該労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきである。」(S53.1.31大阪高裁判決)とされている。客観的に判断されるべきものであるとともに、事業の正常な運営を妨げる事由が消滅後できる限り速やかに休暇を与えなければならない。

時季変更権とは - コトバンク

会社の事情により従業員が取得したいという有給日を変更する権利が会社にはあるのですが、それは上記のような事情があった場合のみ。そこには「従業員が退職するため」というのはありませんので、会社は退職者の有給取得を妨げることができないんです。なんといっても「この日に変更して」といえませんから。

だから有給はしっかり全部使って退職してもいいんです。

退職日を「月末の前日にしてほしい」と言われました

「○月末で退職したい」と会社に伝えると「月末でも末日の一日前でもそんなに変わらないんだから、末日の一日前に退職しないか」などと意味の分からない申し出をされることがあります。たかが一日くらい、と会社の言うことを鵜呑みにして退職日を変更すると後で損をします。

それは「厚生年金と国民年金」いわゆる社会保険の問題。社会保険というのは「月末に在籍しているところに保険料を支払う」ということになっています。たとえば月末31日に退職すると、その月の社会保険料は会社と退職者の折半になります。ところが1日前の30日に退職するとその翌日31日はどこにも在籍していないことになり、たとえ翌月の1日から次の仕事を始めたとしても国民年金へ切り替えが必要になり、個人での支払い義務が生じます。それと国保ね。もう手続きが面倒くさいったらありゃしない。

www.kokuho-keisan.com

 

会社は一日早く退職させるだけで会社の社保負担を一人分浮かせることができるわけです。そして退職する人は個人負担分ただ増えることになるという。各自治体によって国保の金額は変わりますけど、まぁ間違いなく会社の社会保険で折半してもらってるほうがお得。たった一日だけのことであとあと面倒くさい上に損することなかれ。

それと、社保に関しては「任意継続」というものがあります。最長2年間、退職時に入っていた社保を継続することができるというもの。ただし会社と折半していた金額は自分で支払うことになるのでめっちゃ安い、というわけにはいきません。ただ、国保よりは安くなるケースが多いので。

taisyoku-shitara.com

くやしいですが、とても良くまとめられてます(笑)一応協会けんぽも貼っておきますが、いやいや感が見えるような気がしてならんのです。

退職後の健康保険について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会

退職金って誰にでも出るの?

労働法上に「退職金」というものは存在しません。なので会社からは支払い義務は生じません。ただし、就業規則の中に「退職金規定」があればその範囲で受け取る事ができますが、あくまで会社の規則の通りに出るだけ。「退職金は貰って当たり前」とか会社に突っかかると恥ずかしいことになりますのでご注意ください。

さて、会社が労働者に払うお金というのは次の原則から成り立っています。

賃金支払の5原則

  • 通貨で支払う
  • 労働者に直接支払う
  • 全額支払う
  • 毎月1回以上支払う
  • 一定日に支払う

半分を現金で残りはバナナで払う、とかはできませんし、二十日から月末の間に払う、とかもダメです。労使協定で認められた場合に「定期券」などでの支払いは行われることもありますがレアなケースでしょう。でもこの中にも退職金はありません。

退職金を支払うかどうかは就業規則の中に盛り込まれているはずなので、退職前に必ずチェックを。「就業規則なんて見たことがない?」はダメです。就業規則は10人以上の労働者が働いている会社ではかならずなくてはならないものですし、いつでもだれでも閲覧することが出来る場所に置いておかなくてはいけないのです。

もし就業規則の中に退職金規定がなければ・・・諦めるか、特別に「自分の頑張りを評価して退職金をくれ」と交渉するしかないでしょうね。

 

特別編

その1

雇用形態が「派遣」で契約期間が決まってる場合。たとえば12月末で契約満了なので退職したい、残っている有給残日数はすべて消化したい、でも引き継ぎをしてくれと派遣会社から言われてる、引き継ぎは行ってもいいけど有給は消化したい、という場合。

→この場合は「有給を消化する日数分だけ空契約を延長してくれ」と交渉の余地あり。12月末で退職するつもりなら1月に有給日数だけ延長するという方法。でも、社会保険はあくまでも12月末で退職にしないと、もし1月から別の仕事をスタートする場合、前職の社保が喪失できていない、という問題が起きるので派遣会社と要相談で。

その2

とんでもないトラブルに巻き込まれて退職することになった。もう会社なんて二度と行きたくもないし有給をピッタリ使えば退職日まで一日も行かなくて済む。このまま退職したいが「引き継ぎにどうしてもこい」と会社がうるさい、という場合。

→その場合は完全に有給消化。有給を完全に使った上で会社と「業務引き継ぎに関する業務請負契約」を退職日まで締結。引き継ぎ業務を別料金でやってあげる方法です。値段は交渉で。その代わりかなり遺恨が残るので、その会社の人達と二度と会わないことを前提に。

その3

未払いの残業がいっぱいあるのですが、退職するなら出るところにでてやりたい。

→メールでも手帳にメモでもなんでもいいからまず残業を行ってる実態を残していきます。一番いいのは「会社に何らかの方法で提出し続けること」。たとえば帰るときにメールで上司に報告を送るとか。「○○が終わったので帰ります」とか。メールの送信時間は間違いなく証拠に使えるし相手側にも残るので便利です。それらを文書とした上で「もらってない残業代があるんですが」と申し出ましょう。払う意志がないのなら「ちょっと行政と相談してきます」と労働基準監督署へ。通常はまず退職者と会社がなんらかのアクションを起こしていないと労働基準監督署は動いてくれないのでご注意。

会社に支払ってくれと言った→いやだと断られた→じゃあ労基にいく、という順番になると思います。ちなみに私・・・退職で未払いの残業代を100万円弱もらいましたよ。

その4

会社が辞めさせてくれない。どんなに言ってもとり合ってくれない。

→これは退職希望者の良心に単につけこんでいるだけ。本気で退職するなら上記を参考にスケジュールを決定、有給残を確認した上で退職日を決定しましょう。そもそも退職というのは「雇用元、労働者双方の合意」が必要なものではありません。労働者の一方的な契約解除で構わないのです。

民法第627条 - Wikibooks

この場合、「契約期間の定めがない場合」「期間によって報酬が定まっている場合」「6ヶ月以上の期間で報酬を定めた場合」の3つで退職(契約解除)の申し入れ期日が決まってるのでご注意。

「契約期間の定めがない場合」は解約の申し込みから2週間で。つまり退職の意思表示から2週間後に退職することが可能。一般の正社員、アルバイトなどに多い。

期間によって報酬が定まっている場合」は次回の契約を結ばないことで退職とすることができるけど、現在の契約の前半のうちに時期契約更新がない旨を伝えなくてはいけない。派遣社員や契約社員に多い。

「6ヶ月以上の期間で報酬を定めた場合」は退職する3ヶ月前に意思表示をしなくてはいけません。年俸制の人やプロジェクトでの複数年契約などの人に多い。

よく法律相談などで退職なんて2週間で辞めれるんだ、って堂々と書いてあるものがありますが、雇用元と労働者の契約内容によって異なるのでご注意。偉そうにやると袋叩きにされることもありますので。

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おわりに

縁あって入った会社だと思うので、事情にもよりますが「立つ鳥跡を濁さず」がいいとは思うんです。退職した次の日に職場の人に出会うこともあるかもしれないし、どこでどんなふうに再会するかわからないんですから。

でも、退職するときに泣き寝入りとかはやっぱりよくないんですよ。残業代未払いなどはこれからもその会社に残って働いている人たちへの問題提起にもなります。主張するべきことはしっかり主張するのがいいと思います。

そして次の会社、次の世界ではもっと活躍できますように!

もう一つ。労働法というのは「労働者の立場を守る」ために存在しています。ともすれば権力を振りかざしがちな雇用元から労働者を守るため。しかしひたすらに権利を主張してやりたいことをやる、やりたくないことを頑なにやらない、というのは「働く」という報酬を得る、人生の大きなウエイトを占めることに対してはどうかなと思います。

もちろん、ブラック企業というのもあります。不当な働き方を強制する会社もあります。そういう会社から自分を守るためにこういった知識を頭に入れておくのは決して損ではないと思うのです。よりよい生活をこれからも送っていくために。

 何かお役に立てれば嬉しいです。

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