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あれこれやそれこれ

雑記系ブログのさらなる高みを目指すブログ

もし司馬遼太郎がドラクエをつくったら

☆創作☆ ☆創作☆-スライム街道をゆく

 

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スライム、があらわれた。

勇者が出発する地域に多く生息し、旅立ちに必要な経験とわずかなお金をおとしてくれるモンスターである。
毒があるわけではないが、少々の傷をあたえられることがあるので勇者の初心者は気をつけなくてはならない。
そんなスライムが、でたのである。

「面摺れがあるな」
スライムは言い終わるなり抜き打ちでのしかかって来た。
勇者はとっさに鞘でその体を受けとめる。一撃をしのいだ勇者は鞘を払い刀身を立てる。
地肌は恐ろしいばかりに青く、スライムの色を受けて光っている。
(こいつは斬れる)
いや、勇者の経験とこの刀なら一閃するだけで倒せるといっていい。

余談ではあるが、スライムというのは古来より壁などの上に張り付いていて、人間や動物が真下を通った時に上から飛びかかり強烈な酸性の体液で獲物を溶かすモンスターである。
本来、初心者の勇者にかわすのは難しかったと思われるのだがドラクエに関してのみ弱いモンスターとされているのは心にとどめたい。

さて、このスライム。
一撃をかわされ完全に身体がつんのめった形になった。
勇者が軽く一振りした刀であっさり両断されてしまい、絶命。
「ゼリーが、ゼリーが」とふたことまで叫んだのが資料に残っている。

勇者ははにかんだように笑った。
「まだ子供だったのだ」

ともあれ、勇者は経験値2を得た。そして絶命したスライムの体液の中から金貨を1枚取り出すと懐にしまいこんだ。土にゼラチンのかおりがむせるように匂っていたという。

 

参考「幕末」司馬遼太郎

幕末 (文春文庫)

幕末 (文春文庫)

 

 

ドラクエの戦闘シーンを司馬遼太郎風に再現すると面白いだろうなということで。文体模写というのは一つのジャンルとして、文章を学ぶ方法の一つとして確立しているものなのですね。文体のモノマネ、けっこう楽しいです。文章を書くのに慣れていない時は誰かの文章や新聞を丸写ししてみるという練習方法もありますよ。

「余談ながら」とか「○○とはいわない」とか独特の世界がある司馬遼太郎さん。僕は大好きだったりします。逆に、同じ時代小説でも吉川英治はまったくダメw